建物の合併の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものは、幾つあるか。
ア 甲建物と乙建物の表題部所有者が同一で、これらの建物が主従の関係にある場合であっても、それぞれの建物の敷地の所有権の登記名義人が異なるときは、甲建物と乙建物について、合併の登記をすることはできない。
イ 甲建物と乙建物の所有権の登記名義人が同一で、これらの建物が主従の関係にある場合であっても、当該登記名義人が死亡しているときは、その相続による所有権の移転の登記をした後でなければ、甲建物と乙建物について、合併の登記をすることはできない。
ウ 甲建物と乙建物の所有権の登記名義人が同一で、これらの建物が主従の関係にある場合であっても、それぞれの建物に、登記の目的、申請の受付の年月日及び受付番号並びに登記原因及びその日付が同一である賃借権の登記がされているときは、甲建物と乙建物について、合併の登記をすることはできない。
エ 一棟の建物に属する甲区分建物と乙区分建物の所有権の登記名義人が同一で、これらの区分建物が接続している場合であっても、これらの区分建物が主従の関係にないときは、甲区分建物と乙区分建物について、合併の登記をすることはできない。
オ 一棟の建物に属する甲区分建物と乙区分建物とが主従の関係にある場合であっても、いずれの建物にも共用部分である旨の登記があるときは、甲区分建物と乙区分建物について、合併の登記をすることはできない。
1 1個 2 2個 3 3個 4 4個 5 5個
ア ×
本肢のような建物の敷地の所有権登記名義人の違いによる建物合併登記の制限はない。
イ ×
建物合併登記は所有者の意思により申請するものなので、所有者(表題部所有者又は所有権の登記名義人)全員またはその相続人を含む全員の自由意思に基づいてなされる性質のものとなる。
よって、本肢のように相続人から申請することができる。
ウ 〇
公示が複雑になるのを避けるため、所有権の登記以外の権利に関する登記がある建物の合併は原則としてすることができない。
エ ×
区分建物が互いに接続していれば主従の関係にない建物でも合併が認められている。これを区分合併という。
オ 〇
共用部分または団地共用部分である旨の登記をすると、表題部所有者の登記または所有権その他権利に関する一切の登記は抹消され、以降、権利に関する登記が一切できない状態になる。そのため、これら制限のある建物との合併はすることができない。