平成30年度 問題5

次の対話は、登記官による調査に関する教授と学生の対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

 

 

教授: 登記官による調査について考えてみましょう。

登記官は、不動産の表示に関する登記について、不動産登記法の規定により申請をすべき事項で申請の必要なものを発見したときは、直ちに職権でその登記をしなければなりませんか。

 

学生:ア 登記官は、直ちに職権でその登記をすることなく、その申請の義務がある者に登記の申請を催告することとされています。

 

教授: 次に、登記官が行う土地の表示に関する登記についての実地調査では、どのような事項を調査することになりますか。

 

学生:イ 土地の表示に関する登記についての実地調査では、その土地の地目や地積、筆界を調査することはできますが、表題登記がされていない土地の所有者が誰であるかを調査することはできません。

 

教授: 登記官が実地調査を行う時間帯に制限はありますか。

 

学生: ウ 登記官は、日出から日没までの間に限り、実地調査を行うことができます。

 

教授: 登記官は、登記所の職員に実地調査を行わせることができますか。

 

学生: エ 登記官は、自ら実地調査を行わなければならないので、登記所の職員に実地調査を行わせることはできません。

 

教授: 最後に、登記官による実地調査において不動産の検査を妨げた土地の所有者に対する刑事罰は定められていますか。

 

学生: オ 不動産登記法上、そのような刑事罰は定められていません。

 

 

1 アイ   2 アウ   3 イエ   4 ウオ   5 エオ

 

 

 

平成30年度 問題5 解説

正解 2

ア ○

登記官は、実地調査の結果必要があるときは、表示に関する登記を職権ですることができる。ただし、申請を要する事項で申請がされていないものを発見した場合であっても、申請主義が原則であるため、直ちに職権ですることなく、申請すべき者に登記の申請をするよう催告するものとされている。

 

イ ×

実地調査とは、申請があった場合または職権で登記をする際に、必要に応じて行われるもので、実地調査の結果が申請情報と異なるようであれば、登記官は申請を却下することになる。例えば、土地の表題登記であれば、表題部所有者となる者が誰であるかは申請情報の内容となるため、表題登記がされていない土地の所有者が誰であるかを調査することになる。

 

ウ ○

登記官は、日出から日没までの間に限り、実地調査をすることができる。

 

エ ×

登記官は、必要があると認める場合には、登記所の職員に細部の指示を与えて実地調査を代行させることができる。

 

オ ×

実地調査による検査を拒み、妨げ、または忌避した者は、30万円以下の罰金に処せられる。