平成30年度 問題3

Aを被相続人とする代襲相続に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

 

 

ア Aの死亡時に、その直系卑属がなく、かつ、Aの父Bは既に死亡している場合には、Bの母Cは、Bを代襲してAの相続人となる。

 

イ Aの子BがAの死亡の後にAの相続を放棄した場合には、、Bの子Cは、Bを代襲してAの相続人となる。

 

ウ Aが家庭裁判所に請求してその子Bについて推定相続人の廃除をした後に死亡した場合には、Bの廃除後からAの死亡時までの間に出生したBの子Cは、Bを代襲してAの相続人となる。

 

エ Aの相続人となるべき者が兄Bのみである場合において、B及びBの子CがAの死亡時に既に死亡しているときは、Cの子Dは、B及びCを代襲してAの相続人となる。

 

オ Aの子Bが故意にAを死亡するに至らせたために刑に処せられた場合には、Bの子Cは、Bを代襲してAの相続人となる。

 

 

1 アウ   2 アエ   3 イエ   4 イオ   5 ウオ

 

 

平成30年度 問題3 解説

正解 5

ア ×

代襲相続とは、被相続人の死亡以前に、相続人となるべき子・兄弟姉妹が死亡し、または廃除・欠格によって相続権を失った場合に、その者の直系卑属(兄弟姉妹の場合はその者の子に限る)が、その者に代わってその者の受けるはずであった相続分を相続する制度である。よって、本肢のような被相続人の直系尊属は、被代襲者とはならない。

 

イ ×

相続放棄は、相続人が相続の効果を全面的に拒否するものである。また、代襲原因は、相続開始以前の相続人の死亡、欠格、廃除となっているため、相続放棄は、代襲原因とはならない。

 

ウ ○

廃除は代襲原因であるため、Bの廃除後からAの死亡時までの間に出生したBの子Cは、Bを代襲してAの相続人となる。

 

エ ×

再代襲相続の範囲は、被代襲者の子である代襲者の子である。もっとも、兄弟姉妹の子の子は再代襲相続ができない。

 

オ ○

故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡に至らせ、または至らせようとしたために、刑に処せられた者は、欠格事由にあたるが、相続欠格は、代襲原因である。