平成23年度 問題1

意思表示に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

 

 

ア Aが、Bに強迫されて、A所有の甲土地をBに売り渡して所有権の移転の登記をし、さらに、Bが事情を知らないCに甲土地を転売して所有権の移転の登記をした場合には、Aがその後にAB間の売買契約を強迫を理由として取り消したとしても、Aは、Cに対して甲土地の所有権を主張することはできない。

 

イ AとBが通謀して、A所有の甲土地をBに仮装譲渡して所有権の移転の登記をし、さらに、Bが仮装譲渡の事実を知らないCに甲土地を転売し、その後、CがC仮装譲渡の事実を知っているDに甲土地を転売した場合には、Aは、Dに対して甲土地の所有権を主張することはできない。

 

ウ Aが、A所有の甲土地を売り渡すつもりで、錯誤によりA所有の乙土地をBに対して売り渡した場合には、Aに重大な過失があるときであっても、Bは、当該売買契約の無効を主張することができる。

 

エ Aが、Bにだまされて、A所有の甲土地をCに売却した場合には、CがBによるAに対する詐欺を知らなかったときであっても、Aは、AC間の売買契約を取り消すことができる。

 

オ Aが、A所有の甲土地を売却するに当たり、Bにその代理権を与えていたところ、Bが、売買代金を着服する意図で、甲土地をCに売却した場合において、Cが、Bの着服の意図を知らなくても、その意図を知ることができたときは、Aは、当該売買契約の無効を主張することができる。

 

 

1 アイ   2 アウ   3 イオ   4 ウエ   5 エオ

 

 

 

平成23年度 問題1 解説

正解 3