平成21年度 問題5

次の対話は、地目に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの解答のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

 

 

教授: 土地の登記事項の一つに地目がありますが、これについて説明してください。

 

学生:ア 地目は、土地の用途による分類です。所在、地番及び地積と共に、登記された土地を特定するためのもので、登記記録の表題部に記録されます。

 

教授: 土地の地目が何であるかは、どのように定められるのですか。土地の所有者がその利用目的に従って、適当に定めることができますか。

 

学生:イ 登記記録に記録する地目は、不動産登記規則に定められている23種類のうちから土地の現況と利用目的により登記官が認定して定めます。この認定にあたり考慮される土地の利用目的は、所有者が主観的に考える利用目的に従って上記の23種類のうちから定まることになります。

 

教授: では、例えば畑と資材置場に利用されている一筆の土地の地目はどのように定められますか。

 

学生:ウ 一筆の土地のうちに現況や利用目的が異なる部分があっても、それが部分的でわずかな異差であるときは、土地全体の状況を見て「畑」又は「雑種地」と判断しますが、土地全体が複合的用途に利用されていると認められるときは、「畑・雑種地」のようにしても差し支えありません。

 

教授: 地目を原野として登記されている土地を資材置場として利用していたが、地目の変更の登記をしないまま、現在は建物の敷地として利用している場合には、どのような地目の変更の登記を申請することになりますか。

 

学生:エ 表示に関する登記は、不動産の物理的現況を公示するものですので、この場合は、中間の雑種地という地目への変更を経ることなく、直接現在の宅地という地目への地目の変更の登記の申請をすることになります。

 

教授: 土地区画整理事業施行地区内で仮換地が指定された従前の土地の地目及び現況が雑種地である場合において、仮換地上に建物を建築したときは、従前の土地の地目を宅地にする地目の変更の登記の申請をすることはできますか。

 

学生:オ 従前の土地に対する利用権は既に仮換地に対する利用権に移っていますので、その仮換地上に建物を建てた場合は、従前の土地の地目を宅地にする地目の変更の登記の申請をすることができます。

 

 

1 アイ   2 アエ   3 イウ   4 ウオ   5 エオ

 

 

平成21年度 問題5 解説

正解 2