平成29年度 問題19

筆界特定に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

 

 

ア 筆界調査委員は、対象土地の筆界特定のために必要な事実の調査にあたっては、筆界特定が対象土地の所有権の境界の特定をも目的とするものであることに留意しまければならない。

 

イ 筆界調査委員は、あらかじめ、筆界特定の申請人及び関係人に対し、対象土地の測量又は実地調査を行う旨並びにその日時及び場所を通知して、これに立ち会う機会を与えた場合には、当該申請人及び関係人が立会いをしないときであっても、当該筆界調査委員は、当該対象土地の測量又は実地調査をすることができる。

 

ウ 筆界調査委員は、意見聴取等の期日に立ち会う場合には、筆界特定登記官の許可を得なくとも、筆界特定の申請人若しくは関係人又は参考人に対して質問を発することができる。

 

エ 筆界調査委員は、筆界特定のために、柵で囲まれた他人の占有する土地の実地調査をする場合において、当該土地の占有者の承諾があるときは、日出前であっても、当該土地に立ち入ることができる。

 

オ 筆界特定の関係人は、筆界が特定されるまでの間は、当該筆界特定の手続において作成された調書及び提出された資料を閲覧することはできない。

 

 

1 アウ   2 アオ   3 イエ   4 イオ   5 ウエ

 

 

平成29年度 問題19 解説

正解 3

ア ×

筆界調査委員は事実の調査にあたっては、筆界特定が対象土地の所有権の境界の特定を目的とするものではないことに留意しなければならない。

筆界特定は、本肢のように所有権の境界の特定を目的とするものではない。

 

イ ○

対象土地の測量または実地調査を行うときは、あらかじめ、その旨並びにその日時および場所を筆界特定の申請人および関係人に通知して、これに立ち会う機会を与えなければならない。

立ち会う機会を与えた場合、本肢のように仮に立ち会わなかったとしても、測量または実地調査を行うことができなくなるわけではない。

 

ウ ×

筆界調査委員は意見聴取の期日に立ち会うものとし、筆界特定登記官の許可を得て、筆界特定の申請人または参考人に対し質問を発することができる。

 

エ ○

法務局等の長が必要があると認めるときは、筆界調査委員を他人の土地に立ち入らせることができる。この場合、あらかじめ当該土地の占有者に告げなければならないとされているが、承諾があった場合を除き、日出前および日没後においては立ち入ることはできない。

本肢のように承諾があれば、日出前および日没後であっても立ち入ることが出来る。

 

オ ×

意見聴取に備えるため、筆界特定の申請人および関係人は、筆界特定の申請があった旨の公告から筆界特定をした旨の通知があるまでの間、筆界特定登記官に対し、当該筆界特定の手続において作成された調書および提出された資料の閲覧を請求することができる。